コラム:外国人の在留資格・在留申請にまつわる話
[ブログ]技能実習からの在留資格変更について
2024-10-13
在留ミャンマー人の審査厳格化 入管庁、技能実習生の資格変更(2024/09/27 沖縄タイムズ)によれば、 出入国在留管理庁は27日、「技能実習」の在留資格を持つミャンマー人が「特定活動」へ切り替える際の審査を、10月から厳格化すると発表した。とのこと。
一般原則
審査要領によれば、「技能実習」から「技能実習」以外の在留資格の変更については、身分関係の成立又は出国準備を理由とするもの場合以外は原則として認められません。技能実習生は技能実習後直ちに帰国し、技能実習により修得した技能等をそれぞれの国において活かし、母国の経済発展に貢献することが期待されているものであることが理由とされています。
審査要領記載の例外
但し、以下の2例が例外として審査要領に記載されています。
審査要領記載の例外1:特定技能への変更
技能実習生からの「特定技能」の在留資格への変更申請については、「特定技能1号」では在留できる期間の上限を5年としており、当該期間を経過した後には帰国し、技能実習により修得等した技能等をそれぞれの国において活かし、母国の経済発展に貢献することが期待されること、また、「特定技能2号」では技能実習に基づく活動により本邦において修得等した技能等の本国への移転に努めるものと認められることの基準を設けていることから、技能実習終了後、引き続き我が国の企業等で就労することを認める、とされています。
審査要領記載の例外2:他就労系在留資格(技人国等)への変更
例えば技能実習生のうち特に優秀だった者が、所属していた監理団体や実習実施者において、技能実習において修得した技能等を活用して、在籍する技能実習生を指導等する業務に従事することや、技能実習生の入国後の講習などの場において、技能実習により修得した技能等に関する講師を務めることなどの活動は、技能実習制度の趣旨に沿うものであると認められるため、所定の要件を満たす場合は個別に判断する、とされています。
本国情勢を踏まえた在留ミャンマー人への緊急避難措置
上記の他、母国の情勢不安を理由とする在留ミャンマー人への緊急避難措置として、原則的に他の在留資格への変更が認められない「技能実習」においても一定の就労が認められる「特定活動」への在留資格変更が認められてきました。
ところが、2024/09/18 産経新聞の記事によれば、昨年失踪したミャンマー国籍の技能実習生の9割超にあたる1739人が、母国の情勢不安を理由に就労先の制限がほとんどない「特定活動」への在留資格変更を申請していたことが17日、政府関係者への取材で分かった。ミャンマー人実習生の失踪は、特定活動への変更が認められた令和3年以降に急増。転職のために制度を悪用している疑いがあり、政府は運用見直しを検討している、とのこと。
冒頭の記事は、運用見直しの内容が、”技能実習を修了していない”場合は、在留資格変更を認めないとしたことを意味します。