世界の移民・難民
関連ニュース

イタリア:国外移住と外国人移民の記録

公開日
2025-06-24
メディア
InfoMigrants
記事要約
2023〜2024年の2年間、イタリアでは自国民の国外移住と外国人の流入が過去10年間で最高水準に達したと、イタリア国立統計局(Istat)が6月20日の世界難民の日に発表した報告書で明らかにしました。

報告によると、主に若年層のイタリア人がより良い機会を求めて国外に移住する一方、戦争などから逃れる外国人の流入も増加し、移動の活発化が顕著です。2023〜2024年にイタリアを離れたイタリア人は約27万人(前の2年比 39.3%)、入国した外国人は約76万人(同 31.1%)に達しました。中でもウクライナからの移民が約5.9万人と最多です。

この外国人流入の増加は、ウクライナ危機をはじめ中東やアフリカの紛争・不安定情勢が影響しており、パンデミック以前の水準を超える人道的移民が発生しています。2023年の入国者数は37.8万人、2024年は38.2万人と新記録となっています。

また、2023〜2024年の外国人移民の平均年齢は29歳で、若年労働力の確保に貢献しているとされます。一方で、2019〜2023年に25〜34歳の若年イタリア人19.2万人が国外に出て、帰国者は7.3万人にとどまり、純減は11.9万人でした。しかし、同期間に外国人の若年層34.8万人がイタリアに流入したことで、人口減少の影響を抑える要因となり、若年人口は22.9万人の純増となりました。

イタリア人若年卒業生の移住先は主に英国やドイツ(計2.9万人)、フランス、スイス(各8,000人)、EU外では米国(4,000人)が人気です。

マッタレッラ大統領は同日、「難民支援は道義的責任であり、人間の尊厳の不可侵性を守るために行動すべきだ」と述べ、人道的かつ法的責任を強調しました。
タグ
イタリア