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最近の移民取り締まりに対する支持は控えめ

公開日
2025-02-14
メディア
Ipsos
記事要約
2025年2月14日、ワシントンD.C.発のNPR/Ipsosの最新世論調査によると、アメリカの世論は移民政策に対してより厳格な姿勢へと変化していることが明らかになった。依然として多くのアメリカ人が移民を「アメリカのアイデンティティの重要な一部」と考えているものの、その割合は2018年以降減少している。

メキシコとの国境に壁やフェンスを設置することを支持する人は49%に達し、2018年から11ポイント増加した。一方で、この案に反対する人は37%で、2018年の56%から減少している。また、幼少期に不法入国した移民に合法的な滞在資格を与えるDACAに関しては、46%が支持し、37%が反対している。しかし、支持率は2018年の65%から約20ポイント減少し、反対意見が増えている。さらに、「移民はアメリカのアイデンティティにとって重要である」と考える人は61%となり、2018年の75%から低下している。

最近の移民政策については、国民の意見が分かれている。32%が「現在の移民制限は厳しすぎる」と考えているのに対し、29%は「十分ではない」と感じている。また、16%は「適切である」とし、20%は「分からない」と回答している。地方警察に不法移民を逮捕・拘束する権限を与える案には48%が賛成し、39%が反対している。一方で、ICE(移民税関執行局)が学校や教会、病院といった保護された施設内で移民を逮捕することを許可する案や、親パレスチナ抗議に参加した留学生のビザを取り消す案、出生地主義を廃止する案などは、それぞれ過半数が反対しており、不人気な政策となっている。

人々が移民政策についての情報をどのように得ているかについては、48%が地域ニュースを通じて影響を知ったと回答し、45%がSNSで知ったと答えている。特に、SNS経由で情報を得た人の割合は、民主党支持者が51%、共和党支持者が49%、無党派層が40%となっている。また、31%が家族や友人から移民政策の影響について聞いたとし、9%が実際にその影響を目撃したと答えている。

移民受け入れの上限に関する意見も分かれており、14%が「移民数に上限を設けるべきではない」と考えているのに対し、10%は「ほぼすべての移民を禁止すべき」と答えている。大多数の人は、何らかの上限を設けるべきと考えているが、その適切な水準については意見が分かれており、17%が「現在の制限は適切」とし、12%が「より緩和すべき」と考えている一方で、24%は「さらに厳しくすべき」と回答している。

この調査は、2025年2月7日から10日にかけて全国の代表サンプル1,013人(共和党263人、民主党322人、無党派306人)を対象に実施されたもので、誤差範囲は±3.8%ポイント(95%信頼区間)となっている。
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米国