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連合は国境警備、亡命、移民法案の有害な条項の廃止を要求

公開日
2025-04-15
メディア
Electronic Immigration Network
記事要約
人権団体連合「庇護の権利と正義のための連合(CARJ)」と法改正支援団体「Justice」は、イギリス政府が提案した「国境安全・庇護・移民法案(Border Security, Asylum and Immigration Bill)」に対し、重大な懸念を表明し、報告段階(Report Stage)での大幅な修正を求める共同ブリーフィングを発表しました。

CARJは、9つの法務・人権団体(Public Law Project、Asylum Aid、ATLEU、Bail for Immigration Detainees、Detention Action、Freedom From Torture、Helen Bamber Foundation、Medical Justice、Migrant and Refugee Children's Legal Unit)からなる連合体で、公平で人道的な移民制度の確立を目指しています。

ブリーフィングでは、2024年の「ルワンダ安全法(Safety of Rwanda Act)」および2023年の「不法移民法(Illegal Migration Act)」の撤廃を支持しつつも、現在の法案には庇護申請者や人身取引の被害者、在留資格の制限された人々の権利をさらに侵害する恐れがあると警告しています。

特に問題視されているのは、第13条から第18条にかけての条項で、これらは移民関連の新たな犯罪(密航目的の情報収集や海上移動時に他者を危険にさらす行為など)を定めています。これにより、強制された難民や被害者までもが刑事罰の対象となる可能性があります。CARJは、意図や金銭的利益の要件を導入することで、犯罪組織ではなく弱者を保護するよう求めています。

さらに、2023年の不法移民法から継承された条項、特に移民拘留における法的保護の弱体化、人身取引被害者の支援制限、特定国からの庇護申請の不受理などに対しても批判を展開しています。

第38条により維持される不法移民法第12条では、拘留の判断が裁判所ではなく内務大臣の裁量に移され、法的保護が損なわれます。第29条では、過去に強制下で犯罪歴がある人身取引被害者が支援対象から除外され、誤った国外退去や再被害の危険があると警告しています。

また、第59条では、アルバニア、インド、ジョージアなどの国からの庇護申請を「例外的事情」がない限り認めないとされていますが、これにより女性やLGBTQIA の人々の人権が危険にさらされる恐れがあると指摘しています。

第41条(17)は、拘留に関する新たな権限を遡及的に適用し、裁判所で違法とされた可能性のある過去の行為を合法化するものとして、法の支配を損なうと批判されています。

さらに、2022年の「国籍・国境法」に含まれる一部条項の撤廃も求めており、これらは庇護申請の信頼性評価を不公平にし、法的手続きを不必要に複雑化させているとしています。

最後に、新たに提案された第43条についても、在留資格の限られた個人に対する電子監視や外出禁止命令を内務大臣が裁判所の判断なしに課すことが可能になるとして、「差別的かつ基本的な法的保護に欠ける」と強く反対しています。

このように、CARJとJusticeは、現在の移民法改正案が多数の人権・法的問題を孕んでおり、広範な修正または撤回が必要だと訴えています。
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