世界の移民・難民
関連ニュース

政府は不法移民と難民に関する公約を果たしているだろうか?

公開日
2025-05-22
メディア
BBC
記事要約
イギリス政府は、不法移民の抑制と亡命制度の立て直しを重要課題として掲げている。スターマー首相は「密航組織の壊滅」を目標にし、前任のスナク首相が掲げた「小舟での渡航を止める」という方針を継承しているが、2025年5月時点で小舟による渡航者数は過去最多となっており、目標達成は困難な状況にある。

労働党は亡命申請者のホテル滞在を段階的に廃止すると公約しているが、2024年12月時点でホテルの使用数はむしろ増加しており、費用も年間で数千億円規模に達している。宿泊施設不足が背景にあり、ホテル依存からの脱却は容易ではない。

密航組織の摘発については、一部で逮捕や摘発事例が見られるものの、全体的な取り締まりの成果や指標は不明確であり、政府も進捗を示す具体的なデータを公表していない。フランスとの協力により渡航阻止数は増加しているが、その後の動向までは追えていない。

また、亡命申請の処理数は増加しているが、申請自体の件数も増えたため、審査待ち件数は依然として高止まりしている。特に、却下後の控訴件数が急増しており、司法制度にも大きな負担がかかっている。

さらに、不法滞在者の送還に関しては数の上では増加傾向にあるが、その多くが政府の関与を伴わない自主帰国であり、政府が主張する「送還」実績との間に認識のずれがあると指摘されている。

全体として、政府の掲げる公約はいずれも一定の取り組みが見られるものの、目標の達成には至っておらず、進捗状況は依然として厳しいものとなっている。
タグ
英国

「英国」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ