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政府の移民白書に続く変更に関する声明

公開日
2025-07-04
メディア
Blake Morgan LLP
記事要約
イギリス政府は2025年7月1日に最新の移民規則の改正を議会に提出し、7月22日から多くの変更を施行すると発表しました。これは以前公表されたホワイトペーパーに基づくもので、熟練労働者ビザ制度に大きな変更が加えられます。政府はこれらの改正が「純移民数の削減」「技能基準の引き上げ」「制度の信頼回復」を目的とするものだと説明しています。

主な変更点として、まず熟練労働者ビザの対象職種において、求められるスキルレベルがこれまでのRQFレベル3〜5(高校・専門学校相当)から、学士レベルに相当するRQFレベル6以上に引き上げられます。この変更により、約100〜180の職種が新たにスポンサー付きビザの対象外となります。ただし、7月22日以前にスポンサーを受けた既存の労働者については、一定の条件下で当面の継続が認められます。

さらに、給与の最低基準も引き上げられ、一般的な最低年収は38,700ポンドから41,700ポンドへ、新規参入者は29,000ポンドから31,300ポンドへと改定されます。加えて、職種ごとの給与水準(いわゆる「going rate」)も最新の統計に基づいて更新され、より高い水準が要求されます。2025年7月22日以降に延長申請や雇用主変更を行う場合、新基準が適用され、過渡的措置は設けられません。

一部の職種では、引き続き学士未満のレベルでもビザ取得が可能ですが、これは「移民給与リスト」や「一時的不足職種リスト」に記載された職種に限られ、これらのリストも2026年末で廃止予定とされています。

また、7月22日以降に不足職種リストを通じて就労ビザを取得する労働者(RQFレベル3〜5)については、配偶者や子どもなどの家族を帯同することができなくなります。これは既存の介護職ビザの制限と同様で、ただしすでにイギリスに在留している家族や英国で生まれた子には影響しません。

介護職(SOCコード6135および6136)については、海外からの新規申請が7月22日で終了し、国内での職種変更は2028年までに段階的に終了予定です。英国においては、介護人材の確保手段も変更され、従来のように既存の熟練労働者プールからの優先採用義務は撤廃されます。

さらに、グローバル・ビジネス・モビリティ(GBM)制度の下では、シニア・スペシャリスト・ワーカーの最低年収要件が48,500ポンドから52,500ポンドに引き上げられ、延長申請でも新基準が求められます。

雇用主にとっては、これらの改正を踏まえ、既存のスポンサー付き従業員の給与水準を再評価し、7月22日以降の新規採用や延長申請に備えて制度的・人的対応を整えることが急務です。特に介護分野では海外からの人材確保が大幅に制限されるため、戦略的な対応が求められます。
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