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新法で性犯罪者の亡命権が否定される

公開日
2025-04-29
メディア
BBC
記事要約
イギリス政府は、新たな移民法改正案により、性犯罪で有罪判決を受けた亡命希望者に対して、英国での滞在を認めない方針を発表した。従来、テロリストや戦争犯罪者など、1年以上の刑罰が科される犯罪者は亡命を拒否されていたが、今回の変更により、判決の長さに関係なく、性犯罪で性犯罪者リストに登録された者も対象となる。

この改正は、現在審議中の「国境安全・亡命・移民法案」に修正案として追加される予定で、背景には過去に性犯罪歴があるにもかかわらず亡命が認められたアブドル・エゼディの事件がある。

政府はまた、亡命申請者の中でも外国人犯罪者や政府の支援施設に滞在する人々に対し、24週間以内に滞在可否を決定する目標を設定し、申請処理の迅速化と滞留の解消を図る。人工知能(AI)の導入により、インタビュー記録の要約や国別助言へのアクセスなどで、1件あたり最大1時間の処理時間短縮も期待されている。

さらに、偽の移民アドバイザーや不正申請の助言者に対して最大1万5,000ポンドの罰金を科す権限も新設。外国人犯罪者に対しては、電子タグの装着や夜間外出禁止区域の設定など、地域社会での生活に制限が課される。

難民支援団体や法律団体は迅速な処理には一定の理解を示しつつも、AIによる誤判断のリスクや、司法制度の逼迫状況から24週以内の決定は実際には困難だと懸念を示している。

保護担当相は、この措置が女性や子どもへの暴力を半減させる政府目標にも貢献すると述べたが、野党・保守党は「対応が遅すぎる」と批判し、人権を理由にした亡命申請が国外退去の妨げになっていると非難している。
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