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「侵略的外来種」?日本の移民問題における成長痛

公開日
2025-06-12
メディア
Bloomberg
記事要約
声優・林原めぐみ氏(「ハローキティ」「エヴァンゲリオン」の綾波レイ役などで知られる)が、自身のブログで外国人によるルール違反や、奨学金を受ける外国人留学生への不満などを綴ったことが波紋を呼んだ。特に「外来種によって日本らしさが失われる」という比喩(現在は削除)が批判を集めた。発言の主旨は選挙への投票呼びかけだったが、移民に対する懸念を強く表明する内容だった。

日本ではここ10年で外国人居住者が倍増し、2024年には前年比で10%増となるなど、移民が急増している。人口全体に占める割合も過去30年で1%未満から3%以上に拡大し、2050年には10%に達すると予測される。

一方、SNSやYouTubeでは「外国人が日本を奪う」といった煽動的な言説が広まり、特にインフルエンサーの西村博之氏などが発信する反移民的な主張が影響力を持っている。

しかし、実際の日本は違法滞在者数も犯罪件数も減少傾向にあり、他国のような無秩序な移民流入は起きていない。問題はむしろ、政府が制度の整備に追いついていない点にある。たとえば、未払いの医療費を抱えた観光客が再入国できたり、短期滞在者が簡単に運転免許を取得できる抜け道がある。

高齢化と労働力不足により、外国人労働者は今後さらに必要とされる一方で、「日本人が置き換えられる」との不安も広がっている。林原氏の「秩序の大切さ」への指摘は一理あり、実際に多くの日本人は「外国人にはルールを守ってほしい」と感じている(法務省調査では78%がそう回答)。

政府もようやく対応を始めており、石破茂首相は「ルールを守る外国人は歓迎するが、守らない者には厳しく対処する」と述べ、河野太郎氏も不法滞在に対する姿勢を強めている。

ただし、「侵略的外来種」といった過激な表現は問題の解決にならず、他国の過ち(国民の不満を無視して極端な政治家が台頭する)を繰り返すべきではない。公平さと秩序のある移民政策の実行こそが、社会の安定につながる。
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2024-07-09
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