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ミャンマー軍事クーデターからまもなく4年、日本に住む難民申請者のその後 「緊急」措置から取り残された男性と、介護現場で働き始めた女性

公開日
2024-11-18
メディア
TBS
記事要約
2021年2月のミャンマー軍事クーデターを受け、日本の入管庁はミャンマー人に対する「緊急避難措置」を発表しました。この措置により、多くの人が「特定活動」の在留資格を得ましたが、迅速な難民審査を求める人々の中には、依然として仮放免の状態に置かれ、在留資格が認められない例もあります。

マウンさんのケース
マウンさん(仮名)は40代半ばで22年以上日本に住み、民主化運動に関わってきました。5回目の難民申請中ですが、退去強制令書を受け、仮放免の状態にあります。仕事も健康保険も得られず、生活は困難で、「なぜ自分だけが在留資格を認められないのか」と訴えています。今年6月の入管法改定により、3回以上の申請者は強制送還が可能となりましたが、情勢悪化が続くミャンマーに帰国すれば迫害を受けると主張しています。

ルルさんのケース
少数民族カチンの女性ルルさん(仮名)は、軍政下の迫害を逃れて日本に来ました。コロナ禍の際には深刻な病状に陥りながらも支援を受けて生き延び、2023年2月に「緊急避難措置」で在留資格を得ました。同年4月から介護職に就き、困難を乗り越えつつ新たな道を歩んでいます。一方で、職場では嫌がらせを受けることもあり、課題が残っています。

弁護士の見解
渡辺彰悟弁護士は、迅速な難民審査の遅れや仮放免状態の長期化が「人としての尊厳を奪う」と指摘。ルルさんが在留資格を得て「ちゃんと生きている」と語ったことに感銘を受け、正規在留の重要性を強調しています。

終わりなき課題と希望
ルルさんは将来、平和なミャンマーで老人ホームを建設する夢を語り、両者の物語は、難民支援や制度改善の必要性を浮き彫りにしています。
タグ
難民認定,ミャンマー