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世界の移民概況:2025年6月

公開日
2025-06-30
メディア
WR Immigration
記事要約
2025年6月時点のWR Immigrationによるグローバル移民レポートでは、各国における最新の移民制度の変更や対応策がまとめられています。

イスラエルでは、停戦合意後に空港が再開されたことを受け、2025年6月12日時点で有効だった外国人向けビザの有効期間が自動的に同年9月30日まで延長されました。ビザ保有者による手続きは不要で、これにより渡航・移民手続きの混乱が緩和される見込みです。ただし、今後もしばらくはビザの申請や更新に遅延が生じると見られています。

スペインでは、夏季休暇期間中の例外措置として、2025年9月30日までの間、在住許可が失効した外国人が再入国申請なしで陸路・海路からスペインへ再入国できる制度が導入されました。ただし、航空便利用者は引き続き再入国許可が必要です。マドリードではEU市民登録証の申請に際して、現住所を証明する住民登録証明書の提出が新たに求められています。また、移民関連の政府手数料も6月に更新されました。

ポーランドでは、2025年6月1日から外国人労働者の派遣に関する新規則が施行されました。これにより、外国企業から派遣される労働者は、実際に雇用元企業で働いていた実績や企業間の資本関係などを証明する必要があります。加えて、労働許可申請はオンラインに一本化され、重要産業や人手不足業種の申請は優先的に処理されます。ブルーカード保持者に対しても柔軟な措置が取られ、契約期間や職務経験の要件が緩和されました。また、ポーランド市場に関わらない一時的なリモートワークについては、労働許可が不要とされています。

マレーシアでは、外国人雇用において規則違反が多発していることを受け、出入国管理局がESD(Expatriate Services Division)登録企業に対して、違反があった場合には6か月間の申請停止処分を科す方針を発表しました。虚偽申告や偽造文書の使用などが主な違反例とされており、違反企業は審査後に申請再開の可否が判断されます。

カナダでは、オンタリオ州移民ノミニープログラム(OINP)の新たな雇用主ポータルが7月2日から稼働し、雇用主主導での申請プロセスに移行します。これにより、既存のEOI(関心表明)は一旦削除され、再登録が必要になります。ケベック州では今後の移民受け入れ数削減を目指し、経験プログラムの一時停止や、フランス語レベルの要件導入などの措置が取られる予定です。

ベトナムでは、行政手続きの一本化を目的に、2025年7月1日より国家公共サービスポータルを通じてのオンライン申請が義務化され、労働許可証の申請もこのポータルに移行される見通しです。企業には、VNeIDという電子認証アカウントの取得が求められます。

最後に中国では、ASEAN加盟国およびティモール・レステ国籍者向けに、最大180日間のビジネス滞在が可能な新しい長期ビザが導入されました。この5年間有効なマルチビザは、同伴家族にも適用される見込みです。

以上のように、各国で移民政策が大きく変化しており、外国人雇用や滞在に関わる企業や個人には、制度の最新動向に注視することが求められます。
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