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雇用主向け最新情報:スポンサー付き労働者向けの新しい移民規則 – 2025年7月

公開日
2025-07-06
メディア
Electronic Immigration Network
記事要約
2025年7月1日に発表された英国移民規則の改正により、「Skilled Worker(技能労働者)」ルートに関する大きな変更が明らかになりました。これは、同年5月に公表された移民制度改革に関するホワイトペーパーを受けた初の改定です。変更は2025年7月22日から適用され、それ以前にスポンサー企業から発行された「Certificate of Sponsorship(就労証明書)」に基づく申請には、現行の規則が適用されます。

今回の改正では、まず最低賃金の基準額が引き上げられ、Skilled Workerビザの一般的な最低年収は38,700ポンドから41,700ポンドへと上昇します。職種ごとの賃金基準も同様に約10%引き上げられます。さらに、最低スキル要件も強化され、新規申請者には原則として「RQFレベル6」(大学卒業相当)のスキルが求められるようになります。

一方で、これまでSkilled Workerルートの対象だった170以上の職種が、新たな制度では対象外となります。これには、小売・卸売業の管理職、ホテルや旅行代理店のマネージャー、IT技術者や建築技術者、俳優や美容師など多岐にわたる職種が含まれています。ただし、2025年7月22日以前にこれらの職種で就労ビザを取得していた人については、今後も継続して就労することが可能です。

対象外となる多くの職種に関しては、「Temporary Shortage List(暫定不足職業リスト)」という新たな制度の下で、2026年12月31日までの間、例外的にSkilled Workerビザの対象となります。このリストには約50の職種が含まれ、物流管理者、ラボ技術者、ITオペレーション技術者、ファッションデザイナー、人事担当者などが該当します。ただし、このリストに基づくビザで来英した就労者は、配偶者や子どもなどの扶養家族を帯同することはできません。

その他、Global Business Mobilityなど他のビザカテゴリにおいても最低給与要件が引き上げられ、たとえばGBMの一般的な最低年収は48,500ポンドから52,500ポンドに上がります。また、「新規入国者(New Entrant)」向けの特例給与も33,400ポンドに設定されました。

今回の変更には含まれていないものの、将来的に導入が予定されている改正事項もあります。これには、永住権申請に必要な居住期間の延長、移民スキルチャージのさらなる増額(最大32%)、英語力要件の引き上げ、扶養家族への言語要件の適用、大学卒業後ビザ(Graduate Visa)の期間短縮などが含まれています。これらは今後、別の法的手続きによって導入される可能性があります。

今回の改正は、英国の移民制度において「低スキル労働」からの脱却を一層進め、質の高い人材の受け入れを重視する方向性を明確にしています。
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