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「外国人優遇」は誤解 生活保護、奨学金、医療保険…データで読み解く実情

公開日
2025-07-17
メディア
TBS
記事要約
2025年7月20日の参議院選挙を前に、外国人政策が主要な争点として注目を集めている。参政党が「日本人ファースト」や外国人への社会保障制限などを掲げて支持を急伸させる中、自民党や国民民主党など他の政党も「違法外国人ゼロ」や「税金は日本人のために使う」といった政策を次々と打ち出している。その背景には、「外国人による治安の悪化」や「土地の買い占め」といった不安が、SNSを通じて広がっている状況がある。

しかし、移民や難民政策に詳しい専門家によれば、こうした言説の多くは事実に基づかないか、実態以上に誇張されたものである。例えば、不法滞在者数は1990年代に比べて大きく減少しており、現在は約7万人台にとどまっている。また、外国人による犯罪検挙数は横ばいで、在留外国人の数が増える中で検挙率はむしろ下がっている。さらに、外国人留学生の多くは自費で学んでおり、国費留学生は全体のごく一部に過ぎない。医療保険や生活保護の利用についても、外国人の医療費利用率は全体の1.39%と非常に低く、生活保護の支給も永住者など一部の例外を除いて極めて限定的である。

土地買収に関しても、外国人による取得は全体の0.75%に過ぎず、過度な不安は誇張されたものであるとされる。専門家は、これらの誤解が社会の分断を深め、外国人への根拠のない不信感を煽っていると指摘する。実際には、日本社会が急速に少子高齢化するなかで、外国人の存在はむしろ経済や社会保障制度の維持に貢献している面もある。現在の論点は、外国人側の問題ではなく、日本社会が外国人とどう共生していくかという課題にある。選挙を通じて示される政策には、事実に基づいた冷静な議論が求められている。
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入管政策,共生

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2025-02-04
在留特別許可,資格外活動,共生