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収穫の季節。移民取り締まりのせいで、さくらんぼ農園は人手不足に陥っている。

公開日
2025-07-06
メディア
VPM
記事要約
トランプ政権下での移民取り締まり強化により、アメリカ・ワシントン州のチェリー農園では労働力不足が深刻化しています。農業労働者の多くが不法滞在者であるため、摘果のために州を移動することを恐れて働きに出なくなっており、その影響がチェリー収穫の最盛期に顕著に現れています。

例年ならカリフォルニアから移動してくる季節労働者が、今年は多く来ておらず、地元の労働力だけでは需要をまかなえない状況です。労働者の一人、ロサ・ヘルナンデス氏は、例年の半数程度しか人が来ていないと話します。ワシントン州では実際に大規模な農場での強制捜査は報告されていませんが、他州での移民局(ICE)による工場・農場への強制捜査の報道が、恐怖を煽っているとされます。

政府は、農業に必要な労働力を確保する姿勢を示しつつも、「不法滞在者には安全地帯はない」との立場を崩していません。この矛盾したメッセージが混乱と不安を生んでいます。

農園主のカルロス・トレス氏は、例年60人必要なところを35人しか確保できておらず、全てのチェリーを収穫できなければ、経営が成り立たないと危機感を示しています。また、複数の農園が加盟する協同組合「ブルーバード」のスタッフ、エリック・ザバラ氏も、収穫量が大幅に減っていると語ります。

現在、農業向けにはH-2Aという季節労働者用ビザ制度がありますが、労働者の住居や交通手段の確保が義務付けられており、コストが高すぎて利用が難しいという声もあります。

ワシントン州の農家の中には、労働者が来なくなった原因を、実際には起きていない「農園での強制捜査があった」という誤情報を広めている左派の「煽り」にあるとする人もいます。例えば、農園主のジョン・フォルデン氏は、ワシントンではそのような強制捜査は起きておらず、誤情報が恐怖を生んでいると批判します。

農家たちは、トランプ政権そのものを責めるよりも、合法的に必要な労働者を確保できる、より現実的で手頃な制度の導入を求めています。
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