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米判事、移民訴訟でロシア生まれのハーバード大学の科学者の保釈を認める

公開日
2025-05-29
メディア
Reuters
記事要約
2024年5月28日、米バーモント州の連邦判事クリスティーナ・リースは、ハーバード大学に所属するロシア出身の科学者クセニア・ペトロワ氏の移民当局による拘束が正当性を欠くとして、不当であるとの判断を下しました。ペトロワ氏は2月にボストンの空港でフランスから帰国した際、カエルの胚標本を持ち帰ったことが理由で拘束され、ビザも取り消されていましたが、判事はこの処置に事実的・法的根拠がなかったと述べました。

ただし、彼女は現在、同標本を違法に米国へ持ち込もうとしたとして刑事告発を受けており、米連邦保安局(U.S. Marshals Service)の管理下にあります。刑事事件の担当裁判官が保釈を認めるかどうかが今後の焦点となります。

ペトロワ氏の弁護士は、彼女が社会への危険性も逃亡の恐れもないことを示したと述べ、移民拘留の継続は不適切だと主張しました。判事リースも、彼女の拘束は「本件の実質とは無関係な手続きの結果」であり、持ち込んだ胚は「無害・無毒・非生物」で申告義務のある生物材料には該当しない可能性が高いと判断しています。

また、ペトロワ氏は空港でフランスへの帰国を求めたにもかかわらず、米政府は彼女をロシアに送還しようと拘束しました。彼女はロシアのウクライナ戦争に抗議しており、ロシアへの送還を恐れています。

この事件は、トランプ政権による厳格な移民政策、特に学生ビザの取り消しや国外退去の強化の一環として注目されています。同州の連邦裁判所では、同様に拘束された大学生(タフツ大学、コロンビア大学)の釈放命令も出されています。
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