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ドイツの移民取り締まりでウクライナの不法移民に注目

公開日
2025-02-13
メディア
EURACTIV
記事要約
ドイツ国境で拒否されるウクライナ人が急増 – 政府統計

ベルリン発 – ドイツの強化された国境管理により入国を拒否された人々の約5分の1がウクライナ人であることが、政府統計により明らかになった。ウクライナ人はロシアの侵攻を受け、EU内で保護を受ける権利があり、シェンゲン圏内での移動も可能だが、多くがドイツ入国を拒否されている。

左派政党「ディ・リンケ」が要求した統計によると、2023年8月以降ドイツ国境で入国を拒否された人の19.1%がウクライナ人であり、シリア人(19.8%)に次ぐ2番目に多い割合だった。特に2023年10月以降、ドイツはポーランド、チェコ、スイスとの国境管理を強化し、国境検査が拡大した。

2024年1月から11月までに約45,000人が入国を拒否され、前年の35,618人から増加。一方で不法入国者の総数は減少している。ウクライナ人の入国拒否が多い理由の一つは、他のEU諸国で保護を受けたウクライナ人がドイツへの移動を試みるためとされる。

ドイツ内務省は、一部のウクライナ人が観光目的での移動に必要な追加書類を持っていないことも要因の一つだと指摘。ウクライナ難民への手厚い失業手当がドイツ移動の動機になっているとする議論もあり、キリスト教民主同盟(CDU/CSU)は選挙後に給付を削減し就労を促進すると公約している。

国境管理は選挙戦の争点となっており、CDU/CSUの不法入国者一律拒否方針がEU法違反にあたるとの批判もある。左派議員クララ・ビューンガー氏は「すでに大規模な入国拒否が行われている」と指摘し、「移民議論は現実から乖離している」と批判している。
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ドイツ