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メルケル前独首相、回顧録で「後悔なし」 対ロシア政策や難民危機振り返る

公開日
2024-11-26
メディア
AFP
記事要約
アンゲラ・メルケル前ドイツ首相の回顧録『自由 回顧録1954 – 2021』が出版され、彼女は16年間にわたる首相在任中の政策を振り返り、その正当性を訴えている。この中でメルケル氏は、ロシア産天然ガスへの依存や移民政策についての批判に対し、それぞれの背景や当時の状況を詳しく説明している。

ロシアとの関係については、ドイツのエネルギー政策が批判される中、福島原発事故後に原発の段階的廃止を決定し、再生可能エネルギーへの移行を進める中で、天然ガスが移行エネルギー源として必要不可欠だったと述べた。また、ロシア語を話す彼女は、プーチン大統領との複雑な関係にも触れ、彼を「警戒を怠らず権力を誇示する人物」と評しつつも、ロシアとの貿易関係を維持した判断は正当だったと主張している。

さらに、2015年の難民危機についても、労働力不足が深刻化するドイツでは合法的な移民が不可欠だと述べ、難民受け入れ政策を擁護した。彼女は、極右政党の台頭や社会不安を引き起こしたとの批判を受けつつも、ドイツと欧州が法の支配や繁栄を守るために目指される存在であるべきだと強調した。

メルケル氏はまた、トランプ前米大統領について、独裁主義的な政治家に惹かれる性質を持つと批判しつつも、世界の核保有国との現実的な関係を維持する重要性を説いている。全体を通じて彼女の回顧録は、国際情勢の中でリーダーシップを発揮し続けた自らの判断が、困難な状況の中で必要だったことを示そうとする内容になっている。
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ドイツ