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米国司教が移民を擁護する意味

公開日
2024-12-01
メディア
Crux Catholic Media
記事要約
2024年の大統領選でドナルド・トランプが再選された後、カトリック司教団は移民政策について警告を発し、特に大量追放の可能性に懸念を示しました。司教団の会長であるティモシー・ブロリオ大司教は、困難に直面する移民を「キリスト」として扱い、人権を守りながら移民改革を促進する必要性を訴えました。この立場に対し、司教団が左派的で反トランプ的な偏向を持つとする意見もありますが、歴史的には移民擁護はカトリック司教団全体の一貫した姿勢です。

例えば、1920年代のデトロイトのマルタ系移民や、1940年代のニューヨークのプエルトリコ移民、そして1950年代のサンアントニオのメキシコ移民に対し、それぞれの地域の司教(ギャラガー司教、スペルマン枢機卿、ルーシー大司教)が積極的に支援を行いました。これらの司教たちは決して政治的・神学的にリベラルではなく、むしろ保守的な立場の人物でしたが、移民擁護の姿勢は変わりませんでした。その理由は、信仰に基づく人権への配慮だけでなく、移民の多くがカトリック信徒であり、地域のカトリック共同体を強化する存在だったからです。

また、アメリカにおける移民の多くがカトリックであることも背景にあります。移民がカトリック人口を維持する役割を果たしており、これが司教団の移民政策への熱意につながっています。ヨーロッパでは移民の多くがムスリムであるため、アメリカとは異なる対応が見られます。

要するに、アメリカ司教団の移民擁護の姿勢は、トランプ政権の政策への反対だけでなく、信仰と教会の実利的な理由に根ざしたものです。
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