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カビの生えた食べ物、使用済みの下着:トランプ大統領が移民を投獄している米国の刑務所の内情

公開日
2025-05-01
メディア
The Guardian
記事要約
2024年2月以降、米国移民税関執行局(ICE)は、刑事犯のための連邦刑務所(BoP)を使って移民の民事違反者を収容し始めました。これにより、弁護士や家族との連絡が困難になり、不衛生な環境や医療不足、情報遮断といった深刻な人権侵害が多発しています。

ジョージア州の刑務所FCIアトランタに移送された男性は、「場所は汚くて混乱し、何が起こっているのか全く分からなかった」と証言しました。彼は軽微な移民違反で拘束され、1か月ほど収容された後に強制送還されました。

このICEとBoPの提携により、マイアミ、フィラデルフィア、ニューハンプシャー州ベルリン、カンザス州リーヴェンワースなどの連邦刑務所にも移民が移送されています。これらの施設では、過去に職員による虐待や腐敗が多数報告されており、老朽化や人手不足も深刻です。

ある弁護士は、マイアミの刑務所では150人以上の移民が4~5台の電話を共有しており、弁護士との連絡も事実上不可能だと述べています。別のケースでは、裁判所から釈放許可が出ていたにも関わらず、情報共有の不備で数日間拘束が続いた例もありました。

施設内では食事の質や量がさらに悪化し、トイレットペーパーも不足しているとの報告があります。屋外時間も制限され、精神的な負担が大きくなっています。医療アクセスも厳しく、緊急でない限り対応が拒否されるケースが続出しています。

ICEによるこの取り組みは、トランプ政権による大規模な強制送還政策の一環であり、軍事基地や閉鎖された施設の再利用なども含め、拘束拡大の動きが急速に進められています。

議会関係者や人権団体からは、「非人道的で違法な拘束だ」と強い批判が上がっており、連邦刑務所の中で起きている問題が外部に知られないことへの懸念も指摘されています。
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