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国土安全保障省は移民が米国市民権を競うリアリティ番組を検討しているのか?

公開日
2025-05-18
メディア
TIME
記事要約
リアリティ番組『The Millionaire Matchmaker』や『Duck Dynasty』などのプロデューサー、ロブ・ウォーソフ氏が、アメリカ市民権を競う移民向けの新しいリアリティ番組の企画をアメリカ国土安全保障省(DHS)に提案した。彼自身もカナダ出身の移民で、「移民に顔を与え、アメリカを祝福するものだ」と述べている。

番組は『The American』という仮タイトルで、アメリカ各地でピザ作り、ロケット打ち上げ、ゴールドラッシュ体験などの課題に移民が挑戦し、各州の住民が「誰に代表になってほしいか」を投票で決定、勝者に市民権を与えるという内容。

DHSは「毎年数百件の番組提案を受けており、すべて審査される」と述べ、今回の企画もまだ承認も却下もされていないと明かした。また、DHS長官クリスティ・ノームが番組を支持しているとの噂を否定し、「長官はこの企画を知らない」としている。

一方で、トランプ政権下では移民政策が厳格化しており、市民権自動付与(出生地主義)への攻撃、大規模な強制送還、亡命制度の改変が進められている。最近では最高裁が、ベネズエラ人移民への迅速な強制送還に対し、「適正手続きの権利が侵害された」として、トランプ政権の対応を差し止めた。

このような緊張した移民政策の中で番組企画が出されたことに、批判も強い。民主党のホアキン・カストロ下院議員は「人道性を失うばかりのトランプ政権で、移民を競争させて市民権を争わせるなんて病的だ」と非難。ジェリー・ナドラー議員も「人の命をゲームの道具にするな」とSNSで批判した。

ウォーソフ氏は「これは『ハンガー・ゲーム』ではなく、移民のプロセスを理解してもらうための前向きな企画だ」と反論しているが、議論は続いている。
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