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トランプ政権による移民に関する「危険信号」の一週間

公開日
2025-05-28
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Immigration Impact
記事要約
トランプ政権は、先週も全米で移民の取り締まりを強化し、非市民の基本的人権や法的保護を大きく揺るがす政策を次々と実行に移しました。南スーダンへの強制送還をめぐっては、適切な手続きを経ないまま移民を国外に出そうとした点が違法とされ、裁判所は送還の一時停止を命じました。また、18世紀の「外国人の敵」法を根拠にした拘束にも違憲判断が下され、非市民の基本的な訴訟権が侵害されていると認定されました。

さらに、政府は「自主出国」政策の一環として、出国に応じた人々に金銭を支給し、第一便の送還を実施しましたが、アメリカ市民の子どもまで含まれており、制度の透明性と倫理性に疑問が持たれています。同時に、移民裁判所に出廷した人々をその場で逮捕する作戦も展開されており、裁判所が安全な場所でなくなったことで、非市民が出廷を避ける事態も起きかねません。

また、州や地方の警察に対して移民法の執行権限を与える「287(g)プログラム」も急速に拡大されており、わずか数ヶ月でその契約数は5倍以上に増加しました。かつては廃止された「タスクフォース型」のモデルが復活し、警察が地域社会で直接移民を取り締まるようになった結果、移民コミュニティとの信頼関係が損なわれ、公共の安全にも悪影響が出ています。実際に、移民であることを理由に救急通報をためらった結果、乳児が死亡したと疑われるケースも報告されています。さらに一部の州では、州警察官が連邦捜査官として移民取り締まりに関与するようになり、権限の集中と法執行の過剰化が懸念されています。

このような一連の動きは、トランプ政権が法の限界や人権への配慮を顧みず、大規模な強制送還政策を強行しようとしていることを示しており、今後さらなる強硬策が打ち出される可能性も高いと見られています。
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