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移民とカナダの本当の歴史についてPoilievreが誤解していること

公開日
2025-04-17
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GREENPEACE
記事要約
カナダ保守党の党首ピエール・ポワリエーヴルは、最近の演説で移民に対する厳しい言葉を強め、一時滞在ビザで滞在する人々が「違法行為」を行った場合、抗議活動や落書き、彼が「ヘイト・マーチ」と呼ぶ行動に対して、国外追放を含む厳罰を科すと述べた。このような発言は、言葉そのものだけでなく、その背後にある意図や社会への影響が深刻であると懸念されている。

カナダでは歴史的に、社会的な危機や不安の中で移民がスケープゴートにされてきた。中国人への人頭税や、1930年代のユダヤ人難民の受け入れ拒否、近年の難民申請者への締め付けなど、過去の事例は数多い。現在もそのパターンが繰り返されており、「カナダ的価値」や「市民の保護」という名のもとで進められている。

一方で、政治家は「多文化主義」を掲げ、「多様性は強み」だと語る。しかし実際には、文化や労働力として新来者を歓迎しつつも、在留資格や権利、尊厳は十分に与えられていない。真に多文化主義を尊重するのであれば、移民を「問題」として扱うべきではない。

さらに、カナダに住むすべての非先住民は「客人」であり、この国の土台は先住民の土地を奪うことで築かれたという事実を忘れてはならない。その前提に立てば、「不法移民」という概念自体が矛盾を抱えている。

ポワリエーヴル氏が「ヘイト・マーチ」での国外追放を主張する一方で、「ヘイト」とは誰が定義するのか、そしてその基準が誰に対して適用されるのかが問われている。それはパレスチナ人、ムスリム、LGBTQ 、黒人、先住民など、社会的に脆弱な立場にある人々の声を抑圧するために使われる可能性がある。

真の安全とは、逮捕や国外追放によって生まれるものではなく、住まいや医療、在留資格、恐怖から解放された生活の中にあるべきだ。恐怖を煽る見出しや分断を招くレトリックに惑わされず、人々が静かで従順である限り歓迎されるような社会ではなく、誰もが尊厳を持って生きられる社会を築くことこそが求められている。

この国が歴史を忘れ、生き抜こうとする人々を罰する限り、そこに正義はない。 多様性を掲げながら同調を強要する場所に自由はない。 そして、真実より秩序を重んじる国に安全は存在しない。
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