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大規模な国外退去というトルドー首相の移民戦略

公開日
2024-12-06
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Benefits and Pensions Monitor
記事要約
カナダのジャスティン・トルドー首相は、移民問題に対処するため、過去80年以上で最大の人々の流出を伴う戦略を発表しました。この計画では、今後2年間で約90万人の非永住者がカナダを離れると予測され、2.4百万の非永住者がステータスを変更または離れる一方、150万人の新たな一時的移住者が到着するとしています。

この計画は、住宅、雇用、公共サービスへの圧力を軽減するため、人口のわずかな減少を目指すもので、移民に対する世論が厳しくなり、リベラル党の支持が低迷している中での方向転換です。2024年には130万人の非永住者がステータスを失うと予測され、政府は15万8千人の永住権を割り当てる計画ですが、残りはカナダを離れることが求められています。

しかし、経済学者は政府の予測の実現可能性に疑問を呈しており、特にカナダにいる300万人の一時的居住者の多くが永住を希望していると指摘しています。移民による不法滞在者の推定人数は2万~50万人であり、カナダ税関は今年、4千件未満の退去命令を出しました。

この計画に対し、オンタリオ州ブラントンなどの都市では、外国人労働者や学生が永住権獲得の道を求めて抗議活動を行っています。経済学者は、人口減少が実現すれば労働市場が引き締まり、インフレが進む可能性を指摘していますが、消費需要の減少が価格圧力を軽減するとも予測しています。
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カナダ