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収容センターに行く強制送還に直面した移民たち

公開日
2024-11-30
メディア
CBC
記事要約
カナダのトロントにある移民収容センター(Immigration Holding Centre)は、移民や難民申請者を一時的に拘留する施設で、従来の刑務所とは異なり、居住区や運動場、図書館などの設備が整っています。しかし、ここに収容される人々は犯罪者ではないにもかかわらず、施設を出ることは許されていません。

以前はカナダ各州が移民を刑務所に収容していましたが、国際人権団体の批判を受け、2022年以降、10州すべてがこの慣行を終了しました。ただし、トロントの収容センターには一部「高リスク」とされる収容者用の厳しい環境の部屋があり、そこでは暴力を防ぐためにプラスチック製のベッドが床に固定されています。

収容理由としては、公共の安全への危険性や身元不明、逃亡の恐れが挙げられますが、実際に「公共の危険性」のみを理由に収容されたのは2023年で60人に過ぎず、多くは逃亡リスクが主な理由です。また、収容中の未成年者数は減少傾向にありますが、2023年から2024年には19人が収容され、家族単位の分離は避けられているものの批判の声は根強いです。

収容施設を運営するカナダ国境サービス庁(CBSA)は、収容は「最後の手段」であるとし、移民の多くを地域社会での代替措置(ATD)で管理しています。しかし、弁護士や支援者からは、収容の必要性が過剰に主張されていることや、収容者が家族や弁護士から孤立するリスクがあることが指摘されています。高リスク収容者については、カナダ政府が連邦刑務所を使用する計画を進めており、収容環境や地理的隔離への懸念が生じています。
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カナダ