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ポピュリストのウィルダース氏、オランダの連立政権を離脱し、選挙で移民政策を推進

公開日
2025-06-04
メディア
Reuters
記事要約
オランダ・アムステルダム発(6月3日)― オランダの極右政治家ヘルト・ウィルダース氏は、移民問題を争点にした選挙で首相の座を狙うべく、現政権の連立から離脱し、政権を崩壊させた。ウィルダース氏は「オランダをヨーロッパで最も厳しい移民政策を持つ国にするはずだったが、現状はそれに遠く及ばない」と語り、次期首相の座を目指す意志を表明した。

2024年の総選挙で勝利した彼の自由党(PVV)は、他の右派政党と連立を組んで政権入りしたが、移民制限に関する公約が果たされていないとして、連立を離脱。これにより、同国の政治は大きく揺れており、他の政党はウィルダース氏との連携を拒否している。

移民数自体は2022年のピーク時に比べ減少しており、2024年の亡命申請数はEU平均よりわずかに低い水準だった。だが、ウィルダース氏は住宅や医療の問題を移民と結びつけ、国民の不満を支持に取り込んできた。

彼の強硬な政策、たとえばシリア難民の送還や難民施設の閉鎖などは、EUの規範やオランダの人道的伝統に反するとされ、連立政権内でも反発を招いていた。政治学者は、ウィルダース氏が移民問題を次期選挙の主要争点に据えようとしていると分析しているが、政局は今後6か月で大きく変動する可能性があるとみられている。

なお、ウィルダース氏の反イスラム的な発言は、過去に死の脅迫やイスラム諸国からの入国禁止措置を招いたこともある。
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