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【書評】堤未果氏が選ぶ“2026年の潮流を知るための1冊”『西洋の自死』 本音と建前の乖離が取り返しのつかぬ悲劇をもたらす
公開日
2025-12-31
メディア
NEWSポストセブン
記事要約
2025年は、日中関係の悪化、少子高齢化、移民・難民問題、生成AIやSNSによるフェイクニュースや誹謗中傷など、多くの社会課題に直面した年だった。こうした状況を踏まえ、2026年を考えるための示唆を与える一冊として、国際ジャーナリスト堤未果氏はダグラス・マレー著『西洋の自死 移民・アイデンティティ・イスラム』を推薦している。
本書は、日本が国連基準では世界有数の「移民大国」であるにもかかわらず、国内では移民の存在を認めないという「本音と建前」の乖離に警鐘を鳴らす。欧州で大量の移民受け入れが進む中、政治家やメディア、知識人が現実的な議論を避け、批判を「排外主義」として封じた結果、文化や伝統、社会秩序、女性の安全にまで深刻な影響が及んだ過程が描かれている。
著者は、日本も同様の道をたどりかねないと指摘し、欧州の失敗を反面教師とすべきだと訴える。移民問題を「人道主義か排外主義か」という単純な二項対立で捉えるのではなく、価値観や社会の在り方、国家の本質をどう守るのかという視点が重要だと強調している。国防とは領土防衛だけでなく、文化や精神的価値を見直し、主権者として未来を選択することでもある――そのために本書は読む価値がある、という内容である。
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