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韓国の移民規制網の内幕

公開日
2026-02-26
メディア
The Korea Herald
記事要約
韓国で長年暮らす移民労働者らが、近年強化されている入管当局の取り締まりに強い不安を抱いている実態が報じられている。

バングラデシュ出身のファイサルさん(仮名・42)は、約20年前に語学留学(D-4ビザ)で韓国に入国し、その後オーバーステイとなった。取り締まりは1~2カ月に1回の頻度で職場周辺や地下鉄、市場などで実施され、摘発時に負傷者が出るケースもあるという。摘発後は収容され、強制送還手続きが進められる。2024年には約14万人の外国人が強制退去や罰金、出国命令の対象となり、件数は増加傾向にある。

尹錫悦政権は、単純労働分野を中心にビザ発給を拡大する一方、不法滞在者の取り締まりを強化している。前政権下で不法滞在者が75%増加したことが背景にある。しかし、人権団体や活動家らは、通訳の不備や身分提示の不徹底など適正手続きが十分でないと批判している。国家人権委員会も取り締まりの透明性向上を求めている。

また、制度自体に構造的な問題があるとの指摘もある。留学生や季節労働者は就労や滞在期間に厳しい制限があり、ブローカーへの高額手数料負担などから、結果的にオーバーステイを選ばざるを得ない状況が生じているという。専門家は、韓国の入管制度は硬直的で、裁量は大きいものの運用が厳格すぎると指摘する。

一方で、韓国は地理的に不法入国が難しく、不法滞在者の多くは合法的に入国していることから、ビザ発給と労働管理の仕組みに構造的な矛盾があるとの見方も示されている。

ファイサルさんは、家族と共に不安定な立場で暮らしながらも「韓国が好きで、合法的に暮らせるなら税金も払いたい」と語り、合法的な滞在の道を望んでいる。
タグ
大韓民国