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国籍の壁で将来を閉ざされる外国籍教員 戦後の始まりに埋め込まれたレイシズム「当然の法理」

公開日
2025-04-14
メディア
週刊金曜日
記事要約
外国籍教員が日本の公立学校で教諭(正規教員)として任用されず、「期限を附さない常勤講師」として差別的な扱いを受けている問題が、現在も解決されないまま放置されている。文部科学省は1953年の「高辻回答」に基づき、日本国籍を持たない者は公権力に関わる職に就けないとし、外国籍教員の昇進や主任職への任用を拒んできた。その結果、教員として同様の資格と能力を持ちながら、昇進の道を閉ざされた「二級教員」として働くことを余儀なくされている。

記事では、和歌山県や神戸市、京都市で働く外国籍教員の具体的なエピソードを通じて、制度がもたらす屈辱や矛盾、差別の実態が描かれている。彼らは教育現場で子どもたちに大きな影響を与えてきたにもかかわらず、制度上「教諭」にはなれず、主任などの役職にも就けない。そのような差別的制度の背景には、日本の戦後体制におけるレイシズムの継続や、「当然の法理」を錦の御旗として外国籍者を排除する姿勢がある。

制度の不合理性は司法でも指摘されており、2005年の最高裁判決では「当然の法理」による外国人排除は根拠が曖昧であり、業務内容に応じた検討が必要だとされた。さらに、2000年の地方分権一括法により、教諭任用の判断は自治体に委ねられており、文科省の通達に従う義務はない。それにもかかわらず、多くの教育委員会は依然として国の方針を踏襲し、改善は進まない。

外国籍教員の処遇問題は抽象的な法理の話ではなく、現場で子どもたちと向き合う教育者の人生と尊厳に直結する切実な課題である。国籍で教員の価値を測るような制度は見直されるべきだと強く訴えられている。
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2025-02-04
在留特別許可,資格外活動,共生