入管・在留関連ニュース

地銀が悲鳴を上げる「外国人対応」 セブン銀ATMが狙う"総取り"インフラ構想

公開日
2025-12-18
メディア
東洋経済オンライン
記事要約
2027年に技能実習制度が「育成就労制度」へ移行し、外国人労働者の長期定着が進む中、日本では住居や医療、言語に加え、金融アクセスの遅れが大きな課題となっている。特に銀行口座を開設できない、または手続きに長時間を要する外国人が多く、対応を避ける金融機関が増えることで、ゆうちょ銀行など一部窓口に負担が集中している。

こうした状況に対し、セブン銀行がATMを活用した外国人向け口座開設サービスを開始した。在留カードのIC情報を読み取り、12言語対応の画面で手続きを完結でき、来店不要で短期間に口座開設が可能となる。さらに、外国人材管理SaaS「dekisugi」と連携し、監理団体や登録支援機関が複数人分の口座開設や給与振込先登録を一括処理できる仕組みも整えたことで、現場の事務負担を大幅に軽減している。

セブン銀行はこれまでも多言語ATM、海外送金、デビット決済など外国人向けサービスを拡充してきたが、与信リスクの高い融資分野からは撤退し、口座・送金・決済に特化する戦略を取っている。外国人は口コミでの拡散力が高く、獲得コストが低いこと、今後の在留期間長期化で利用継続が見込める点がビジネス的にも魅力とされる。

今後はコンビニATMを「金融の入り口」とする構想を掲げ、ファミリーマートへの設置拡大などでATM網をさらに拡充する計画だ。外国人労働者の増加という社会課題に対応しながら、新たな金融サービスのプラットフォームを築くことで、セブン銀行は変化する労働市場と金融ニーズの交点で先行している。
タグ
マーケット

「マーケット」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ