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「カレー屋は貧困を固定化する装置です」借金まみれで日本にやってくるネパール人労働者が搾取から抜け出せないワケ

公開日
2024-04-21
メディア
文春オンライン
記事要約
ネパール人による日本のカレー屋の急増には、主に「コックのブローカー化」と「ビザビジネス」が絡んでいます。カレー屋の経営者は、ネパールからコックを呼び寄せ、その際にビザ代や渡航費として高額な費用を徴収します。これには、家や土地を売って借金をしてまでお金を集める人々が多く、最初は健全なビジネスとして始まりましたが、次第にカレー屋ではなく、ビザの手配が主なビジネスとなるケースが増えました。

また、カレー屋のオーナーは、調理経験がない人をコックとして雇い、ビザ申請書類を偽造して渡航させることもあります。その結果、スパイスや調理技術を十分に理解していないコックが大量に働き、カレー屋の質が低下しています。さらに、経営者はコックに対して安い給料を支払い、場合によっては家事や送り迎えなどもさせることがあります。月収が低いため、生活は厳しく、借金を背負いながらも耐え忍ぶコックも少なくありません。

この状況は、ネパール人が日本で働きながらも貧困から抜け出せない構造を生んでおり、経営者による搾取が続いています。最終的にコックたちは、ビザの更新ができないと突然解雇され、代わりに新しいコックが呼び寄せられるサイクルが繰り返されます。

日本のカレー屋がネパールの貧困を固定化する装置になっていると指摘される一方で、多くのネパール人は、海外で働かないと豊かになれないという切実な思いから、こうしたリスクを負ってでも日本で働こうとしています。その中には、後に独立して成功する人もいるものの、全体的には厳しい労働環境が広がっています。
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