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(The Guardian)トランプ政権の移民取り締まり強化策がアメリカ国民の医療を危険にさらす

公開日
2026-06-17
メディア
The Guardian
記事要約
米国の医師不足、とりわけ地方部の深刻な医療人材不足を支えている外国人医師たちが、トランプ政権の移民規制強化によって就労継続の危機に直面している。記事は、アフガニスタン出身の内科医「アリ(仮名)」を中心に、その影響を描いている。

アリは2020年に米国へ渡り、医師不足地域で働くことを条件とするビザでウェストバージニア州の病院に勤務している。年間1600人以上の患者を診療し、その多くは高齢者や低所得者である。州内ではがん死亡率が高く、医療過疎地も多いため、外国人医師は地域医療を支える重要な存在となっている。

しかし、トランプ政権は2025年以降、アフガニスタンを含む39か国出身者に対する入国制限を拡大し、さらに米国内に合法的に滞在する対象国出身者の永住権申請や各種移民申請の審査を停止した。その結果、アリを含む多くの医師がビザ更新や永住権取得の見通しを失い、失職の危機に陥っている。

米国では医師の約4人に1人が海外で教育を受けており、特に地方部では外国人医師への依存度が高い。ウェストバージニア州では産婦人科や小児科などを外国人医師が単独で支える地域もあり、病院経営者や医療団体は、移民政策の影響で医療提供体制が崩壊しかねないと警告している。

実際に、多くの外国人医師が就労許可の更新停止や永住権審査の凍結によって働けなくなりつつある。あるスーダン出身医師は刑務所医療を離れざるを得なくなり、別の医師は無償診療所でのボランティア活動さえ法的リスクから継続できなくなった。患者は代替医師を見つけられず、医療アクセスの悪化が現実化している。

また、政権はH-1Bビザ申請料を10万ドルへ大幅に引き上げる政策も導入(後に裁判所が差し止め)し、病院の採用負担も増加させた。ある病院では医師不足のため腎移植件数が年間150件から80件程度に減少したという。

記事は、移民規制が不法移民だけでなく、合法的に働き地域医療を支えてきた高度人材にも大きな影響を及ぼしていると指摘する。アリは「法律を守り、正しい手続きを踏んできたのに行き詰まってしまった」と語り、自身の将来だけでなく、診療を続けてきた患者たちへの影響も懸念している。
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