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移民問題をめぐる議論は「私たちを分断する」と、カンタベリー大主教がクリスマス説教で警告

公開日
2025-12-25
メディア
The Guardian
記事要約
英国国教会の次期カンタベリー大主教に就任予定のサラ・マラリーは、クリスマスの説教で、移民をめぐる国民的な議論が社会を分断しており、本来は共通の人間性が人々を結びつけるべきだと述べた。彼女は、喜びとは困難や不完全さの中でこそ生まれ、他者のために家庭や教会、公共の議論の場に「居場所をつくる」姿勢につながると語り、経済的圧力や不平等に苦しむ人々がいる現実を直視しつつ、苦難を過小評価せず勇気をもって向き合うことの重要性を訴えた。

同じくクリスマスの説教で、ヨーク大主教スティーブン・コットレルは、社会の分断と見知らぬ人への恐れについて語り、聖地訪問時に検問で足止めされ、パレスチナ人家庭を訪問できなかった体験を紹介した。彼は、世界各地に築かれる壁や障壁だけでなく、人々の心の中に築かれる壁こそが問題だと指摘し、ホームレスや難民、将来への希望を失った若者に目を向けなければ、キリストを迎え損ねる危険があると警鐘を鳴らした。

また、ローマ教皇レオはバチカンでのクリスマス説教で、ガザのパレスチナ人や世界のホームレス、戦争によって傷つく人々の状況を嘆き、イエス誕生の物語を通じて、神が不完全で不安定な世界のただ中に身を置いたことを示した。さらに、ウクライナやスーダンなど各地で続く紛争に言及し、すべての戦争の終結を呼びかけた。

全体として、宗教指導者たちは、移民問題や紛争をめぐる分断に対し、共通の人間性への立ち返り、対話、そして困難な現実の中での連帯と慈しみの必要性を強く訴えている。
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