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選挙制度と移民政策

公開日
2026-01-13
メディア
CEPR
記事要約
このコラムは、移民が政治争点として強まる状況では、有権者の嗜好だけでなく「選挙制度」が移民政策の方向性を大きく左右する、とする研究(イタリアの自治体選挙データを用いた分析)を紹介している。

研究は、少数得票でも勝てる相対多数制(sufficient plurality)では反移民候補が単独で出馬・当選しやすく、その結果、移民により厳しい政策が採られやすいと示す。一方、当選に過半数が必要な制度(necessary majority。比例代表制や決選投票制など)では、反移民勢力は単独では勝ちにくく、中道右派などとの幅広い連立に組み込まれるため、政策は相対的に開放的になりやすいという。

イタリアでは人口1万5千人を境に、市長選が相対多数制から決選投票制へ切り替わる。この制度差を利用した分析の結果、決選投票制に変わると反移民政党だけに支えられた候補の出馬が減り、反移民政党が穏健勢力と連立を組む確率が高まることが確認された。さらに、移民関連サービスの提供や移民向け支出など「親移民的」な政策指標が増える傾向が見られた。効果は、反移民感情が極端に低い/高い地域よりも、過半数には届かないが一定程度強い地域で特に大きいとされる。

結論として、移民が主要争点となる現代では、相対多数で勝てる制度ほど反移民勢力の台頭と厳格化を促し、過半数を要する制度ほど幅広い連立を通じて政策を穏健化しやすい、という点を強調している。
タグ
イタリア