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40年間で7度目の不法移民の正規化は、より厳格な移民政策の必要性を浮き彫りにしている。

公開日
2026-03-10
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Real Instituto Elcano
記事要約
スペインでは、50万人以上の不法滞在者や庇護申請者に合法的な在留資格を与える大規模な正規化(regularisation)が来月から開始される予定である。申請者は犯罪歴がないことや2025年12月31日以前からスペインに居住していること(または国際保護を申請していること)を証明する必要がある。許可は原則1年間(子どもは5年)有効で更新可能であり、10年後にはスペイン国籍の取得も可能となる。ただし、スペインで永住権を得るまでは他のEU加盟国で合法的に働くことはできない。

政府は対象者を約50万人としているが、警察機関は75万~100万人が申請する可能性があるとみている。この制度は市民による署名運動(70万人以上)を背景に導入され、カトリック教会や企業団体、労働組合なども支持している。一方で、保守系の国民党(PP)や極右政党VOXは強く反対しており、欧州で広がる反移民政策の流れと対立している。

スペインは急速な高齢化と低出生率に直面しており、外国人労働者は経済成長や社会保障制度の維持に不可欠な存在となっている。2025年には外国生まれ人口が初めて1000万人を超え、総人口の約20%に達し、社会保障加入外国人も300万人以上に上った。

しかし、移民とスペイン人の間には教育水準や生活条件の格差が広がっており、外国人の早期退学率は30%以上とスペイン人の約3倍である。低技能職に就く割合や貧困率も高く、住宅の過密や家賃滞納などの問題も多い。こうした格差は社会的緊張を生む可能性がある。

今回の正規化は多くの移民を不安定な立場から救う一方で、過去40年間で170万人以上が同様の措置の対象となっており、より計画的な移民政策の必要性が浮き彫りになっている。
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