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神話、現実、そして認識:イギリスの反移民姿勢の強化

公開日
2025-08-06
メディア
Survation
記事要約
英国では近年、移民に対する政治的レトリックが国民の意識に大きな影響を与えており、特に「小型ボートで入国する難民・移民」への拒否感が極めて強くなっている。たとえ戦争や迫害から逃れてきた難民であっても、多くの人がその入国方法を容認できないと考えており、共感や人道的な配慮が欠けた態度が目立つ。

このような姿勢の背景には、国民の間に広がる誤った認識がある。実際には小型ボートで到着する移民は全体の2%に過ぎず、難民・庇護申請者全体でも16%程度であるにもかかわらず、約4割の人々が彼らが移民の大多数を占めていると信じている。一方、83%以上を占める留学生や就労者に関しては、その存在が過小評価されている。

庇護申請に関しても、英国社会は全体的に消極的であり、死の危険があるケースでさえ、約3分の1が受け入れを拒否すべきだと考えている。こうした状況は、英国人が自分たちの「自由な移動の権利」は認めながら、他者にはその権利を認めないという矛盾を浮き彫りにしている。

このような歪んだ認識と感情が広がる中、事実に基づいた前向きな移民への言説が必要とされている。小型ボートで来る人々の割合が極めて少ないこと、そして多くの移民が学び、働き、社会に貢献しようとしていることを正しく伝えることが第一歩となる。また、困難な状況から逃れてきた人々の現実に対して、共感を促すような物語や議論の展開も重要である。現在の反移民的な空気を変えるには、今こそ希望に基づいた新たな言葉が求められている。
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