世界の移民・難民
関連ニュース

政府閉鎖が移民制度に及ぼす影響

公開日
2025-09-30
メディア
American Immigration Council
記事要約
議会が政府の資金確保に合意できなければ、10月1日から政府機関の一部で閉鎖(シャットダウン)が発生する可能性がある。移民関連機関への影響は機関ごとに異なる見込みである。

ICE(米国移民・関税執行局)
ICEの業務は「必須の法執行業務」とされており、逮捕や強制退去、拘留施設の運営はシャットダウン中も継続される見込み。さらに、2025年には「One Big Beautiful Bill Act」により長期的な予算が確保されているため、業務や人員拡大への影響は最小限と予想される。

USCIS(米国市民権・移民局)
USCISは申請料で運営されているため、ほぼ通常通り業務を継続できる。ただし、シャットダウンによりスタッフ1%程度が休暇対象となるため、E-Verifyシステムの停止や一部プログラム(例:Conrad 30医師プログラム)への影響が考えられる。

EOIR(移民裁判所)
移民裁判所は連邦予算依存度が高く、シャットダウン中は「非拘留」事件の審理が停止される可能性が高い。これにより、数万件の事件が延期されるおそれがある。一方、拘留中の事件は通常通り継続される。

CBP(税関・国境警備局)
法執行業務は必須とされ継続されるが、一部のサポートスタッフが休暇となる可能性がある。シャットダウンでも、CBPの予算は「One Big Beautiful Bill Act」により一部確保されている。

国務省
ビザ審査や領事サービスは申請料で運営されているため、通常業務は継続される。ただし、特定の領事館で資金不足となった場合、外交ビザや緊急事態のみ対応となる可能性がある。

全体の見通し
シャットダウンによる影響は他の連邦機関に比べれば限定的で、特にICEの強制退去業務はほとんど影響を受けない。一方、非拘留移民裁判所の運営停止が最も大きな影響となり、ICEの裁判関連業務にも間接的な影響が出る可能性がある。議会が暫定予算案に合意しても、移民関連予算を巡る議論は2026年度予算案で続く見込みである。
タグ
米国

「米国」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ