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高市政権の外国人「制度厳格化」と“労働力1100万人不足”の未来…“共生”のため本当に必要なこと

公開日
2025-10-26
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FRIDAY
記事要約
日本では深刻な労働力不足が進む一方、外国人政策への厳しい視線が強まっている。24時間営業の店舗や農業、介護などの現場では外国人労働者が不可欠となっており、外国人なしでは社会が成り立たない現実がある中で、「共生」と「秩序」の両立が課題となっている。

今年7月の参議院選挙では外国人政策が争点の一つとなり、厳しい対応を訴える政党が支持を集めた。10月に発足した高市政権では「外国人との秩序ある共生社会推進担当」が新設され、小野田紀美担当相が制度の不適切利用や外国人犯罪への不安に対応するため制度見直しを進める方針を示した。すでに「経営・管理」ビザの要件強化や外国免許の切り替え試験の厳格化などが進められている。

一方で、現場の労働力不足は深刻化しており、農業や製造業など地方を中心に外国人労働者への依存が高まっている。群馬県大泉町や長野県川上村では、外国人が地域社会の支え手となっており、自治体が多言語対応や生活支援を強化している。出入国在留管理庁によると、在留外国人は近年急増し、総人口比で3%を超え、今や日本社会に不可欠な存在となっている。

労働供給の減少は今後さらに進み、2040年には1100万人規模の人手不足が予測されている。女性や高齢者の労働参加では限界があり、外国人労働力の確保が経済維持の鍵とされる。だが、外国人受け入れに対する国民の不安や不満も根強く、不動産価格上昇や生活費の高騰が背景にあると指摘される。

専門家は、外国人政策の最大の課題として「受益と負担の不均衡」を挙げる。企業が労働力確保の恩恵を受ける一方、地方自治体は教育や生活支援などの負担を背負っており、国の支援や財源配分の見直しが必要とされている。また、外国人の子どもの教育機会の不足や言語格差も深刻で、就学しない子どもが貧困や社会的排除に陥るリスクが高い。

外国人との共生を進める自治体の取り組みは広がっているものの、地域任せでは限界がある。政府は受け入れ厳格化だけでなく、教育、福祉、地域支援を含めた包括的な共生政策を主導し、社会全体で外国人と共に生きる仕組みを整えることが求められている。
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2024-05-10
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