入管・在留関連ニュース

「日本に馴染めないまま定着」は危険――分断を生まないために必要な「外国人政策」とは

公開日
2025-12-04
メディア
Yahoo ニュース
記事要約
夏の参院選以降、「外国人政策」が主要な社会課題として注目される一方、日本は少子高齢化で労働力・観光需要の多くを外国人に依存している。元JCIE理事の毛受敏浩氏は、日本は実質的に移民受け入れを進めながら「移民政策ではない」と否定し続けてきた矛盾を指摘する。2010年代以降、技能実習・技人国・高度専門職・特定技能など在留資格は拡大し、在留外国人は約400万人に増加。観光も大幅に増え、政府自体が外国人受け入れを推進してきた。

しかし、受け入れ後の日本語教育や職業訓練などの体制は十分でなく、選別も適切に行われていない。毛受氏は、適切な条件を満たす外国人を明確化し、共生を前提とした政策設計が不可欠と主張する。ドイツの例のように、受け皿が不十分だと外国人が社会から孤立し「分断」を招きかねないと警告する。

一方、政府は参政党の「日本人ファースト」などの動きを受け、外国人管理の強化に舵を切った。外免切替の難化や「経営・管理」資格の厳格化など規制を強め、高市政権は「違法行為には厳格に対応」と表明。しかし、外国人観光客と在留外国人の問題が混同され、外国人の貢献が十分に共有されていないとの指摘もある。

国士舘大の鈴木江理子氏は、外国人を「いずれ帰る人」ではなく、長期的に社会を支える地域の構成員として捉える視点が必要だと強調。災害対応や地域維持の担い手としての役割も期待されている。一方、日本語教育などの支援は多少進んだものの、参政権・公務就任などの権利保障は停滞している。

鈴木氏は、必要なのは

外国人受け入れの基本法

差別禁止法
の2点だと提言。ヘイトやデマの横行を放置していては建設的議論ができず、多様性を尊重し、外国人が安心できる環境整備が日本社会の未来を左右すると結論づける。
タグ
入管政策

「入管政策」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ
2024-07-09
入管政策,入管法,難民認定,永住者.育成就労,技能実習
2024-05-30
在留資格,入管政策,技術・人文知識・国際業務,技能実習,特定技能