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「外国人はもう日本を選ばなくなる」経営者たちが抱く深刻な懸念 ベトナム人実習生なしでは「成り立たない街」で見えたこと 【多文化共生企画】

公開日
2025-12-15
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47NEWS
記事要約
千葉県銚子市の缶詰工場では、ベトナム人技能実習生が地域の水産業を支える重要な担い手となっている。実習生の一人であるホー・ティ・トゥイ・ニュンさんは、家族を母国に残して来日し、複数の工程をこなしながら働いている。ベトナムでは長時間働いても十分な収入が得られず、子どもの教育や家族の将来を考えて日本での就労を選んだ。

工場側は、日本人労働者の高齢化と人手不足を背景に、約20年前から技能実習生を受け入れてきた。職場では日本人と外国人が肩を並べて働き、言語の壁を補う工夫や、生活面での支援、寮の整備、自転車やヘルメットの支給、交通ルールの周知など、安全と生活の両面で配慮がなされている。地域防犯パトロールへの参加などを通じ、実習生が地域社会とつながる機会もつくられている。

一方で、実習生たちの多くは家族と離れて働く葛藤を抱え、日本を将来も働き先として選ぶかどうかは不透明だ。ベトナムの経済成長や他国との賃金差、日本国内での待遇格差もあり、より良い条件を求めて職場を移るケースや、使い捨てのように扱われる問題も指摘されている。

実習期間終了後、約3分の1が在留資格を特定技能に移行して働き続けているが、帰国か継続かは個々の経済状況や家族事情によって異なる。工場の社長は、外国人を単なる労働力としてではなく、人生設計と選択権を持つ「一人の人間」として尊重する姿勢こそが、日本が今後も外国人に選ばれ続けるために必要だと強調している。
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