入管・在留関連ニュース

「ベトナムに帰れ!」暴力で失踪も 相次ぐトラブル「技能実習制度」に悪質ブローカーの存在

公開日
2025-09-02
メディア
関西テレビ
記事要約
現在、日本で働く外国人労働者は過去最多の230万人を超えており、その中でもベトナム人が最も多く約57万人に達しています。しかし、その一方で、外国人労働者をめぐる問題も深刻化しており、2023年には技能実習生の失踪者が6510人にのぼりました。

多くの外国人は「家族のためにお金を稼ぎたい」と日本に来ていますが、低賃金や過酷な労働環境、職場での暴力やハラスメントにより、実習先から逃げ出すケースが相次いでいます。また、そうした実習生を違法に斡旋する「悪質ブローカー」も暗躍しており、無資格のまま働かせる事例も後を絶ちません。

徳島県の農業企業のように、適切な待遇と支援を行っている例もありますが、制度の運用が企業ごとに大きく異なる現状があります。支援団体には、暴力を受けた、解雇された、生活に困窮しているといった相談が日々寄せられており、労働者の人権が十分に守られていないことが浮き彫りになっています。

こうした問題を受け、現在の「技能実習制度」は2027年に「育成就労制度」へと変更される予定です。新制度では、条件を満たせば実習先を変更できるなどの改善が図られる一方で、支援団体の代表は「名称が変わるだけで、実質的な支援体制が整っていない」と批判しています。

専門家も、制度の一部改善は評価しつつも、相談窓口や労働者の権利保護を強化しなければ、根本的な解決にはならないと指摘しています。今後、日本社会が外国人労働者を真に受け入れ、共生するためには、制度の見直しとともに実効性のある支援体制の整備が求められています。
タグ
技能実習,育成就労

「技能実習,育成就労」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ
2025-03-15
技能実習,ミャンマー,介護,都市部への人材流出
2025-02-17
育成就労,技能実習,特定技能,都市部への人材流出
2025-02-13
技能実習,特定技能,育成就労,介護