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新しい亡命・移民控訴制度に関する限定的な詳細が明らかに

公開日
2026-01-15
メディア
Free Movement
記事要約
英国内務省が進める新たな移民・難民の不服申立て(控訴)機関について、内務大臣(本文ではホーム・セクレタリーとされる)シャバナ・マフムードが司法委員会委員長宛て書簡で概要を明らかにしたが、依然として詳細や移行措置、スケジュールは不透明だと論じている。現行の難民上訴制度の廃止は2025年11月17日に事前協議なしで正式発表され、司法当局への通知も24時間前だったという。

筆者は、政策主導が内務省で、司法省(MOJ)の関与は限定的に見える点を問題視する。担当閣外大臣の発言からも、MOJは「移行管理」を支援する程度で、新機関がMOJの枠内に置かれるかも不明で、内務省から独立した審理機関と言えるのか疑問だと指摘する。

変更の主要目的は、審理担当者(裁決者)の採用母集団を広げることだとされ、現行の移民裁判官より要件を緩和し、実務経験5年以上の弁護士・ソリシター等に加え、法分野で同等経験がある非弁護士も対象になり得るという。ただ新たな最低要件はまだ示されていない。裁決者の法的専門性が下がれば、法の誤りを理由とする上級審(上級審裁判所)への不服申立てが増え、迅速化に逆行する可能性もあるとしている。

書簡では、難民上訴だけでなく一般の移民上訴も新機関の対象になること、法の誤りによる上級審への上訴権は維持されることが確認された。一方で、審理前の法的助言の提供に触れているものの、公費による代理人確保(法的扶助)には言及がなく懸念が示される。また「一度の審理で争点をまとめて判断する」方向性を匂わせつつ、実際には別件として順次申立てを求める運用が繰り返されてきたと批判する。

さらに、安全な国からの申請には迅速手続(場合によっては収容を伴う可能性)を設け、公益上の理由で優先処理する枠組みも示唆されるが、その判断が内務省側に偏る恐れがあるとする。脆弱者保護や複雑案件の慎重審理は維持するとされるものの、筆者の総括は、既存制度の改善(一次判断の質向上や早期の法的助言)で対応できる問題を、複雑で高コストの制度改編でかえって混乱と時間を浪費し、滞貨解消にもつながらない恐れがある、という厳しいものになっている。
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