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今年の英国移民はマイナスになる可能性がある。それは経済にどのような影響を与えるだろうか?

公開日
2026-02-14
メディア
The Guardian
記事要約
この記事は、英国政府の移民規制強化によって純移民数が急減し、経済や大学、企業に大きな影響が出ている現状を伝えている。

政府が外国人留学生や技能労働者に対する規制を強化した結果、海外からの大学出願が激減し、学費収入に依存していた大学の財政が悪化している。グリニッジ大学とケント大学が財政難のため統合を検討している背景にも、この移民規制があるとされる。建設業や医療、介護などの企業でも、外国人労働者に依存していた採用が難しくなり、人手不足への懸念が広がっている。

最新の統計では、英国で働いたり住んだりするためのビザ申請数がさらに減少しており、純移民数は近くゼロ、あるいはマイナスに転じる可能性がある。3年前には年間純移民が約100万人に達していたが、今年は1993年以来初めて純移民がマイナスになる可能性も指摘されている。

この動きは、移民問題を重視する右派政党への政治的圧力を和らげる可能性がある一方、政府の財政や経済には大きな打撃となる。シンクタンクの試算では、純移民がゼロになれば2040年までに国民所得が3.7%減少する可能性があり、ブレグジットに匹敵する経済的損失になるとされる。

規制の具体例としては、介護労働者の家族帯同禁止、就労ビザや家族ビザの最低年収要件の引き上げ、留学生の家族帯同制限などがある。さらに技能労働者ビザの給与基準も大幅に引き上げられ、留学から就労へ移行する従来のルートは難しくなった。スポンサー企業への監視も強化され、実態のない求人を使ったビザ申請が取り締まられている。

専門家の間では、移民減少は一時的な現象で将来は再び増加するとみる意見もあるが、厳しい規制は経済にとって「自傷行為」だと批判する声もある。移民は平均的に高い賃金を得ており、財政面でもプラスの影響があると指摘されている。

一方でドイツは、人口減少への対応として若い外国人労働者の受け入れを進めており、英国とは対照的な政策をとっている。最終的に純移民ゼロが実現すれば、政治的には政府に有利でも、財政や経済には深刻な影響をもたらすと見られている。
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