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いびつな外国人労働政策が生んだ「ボドイ」たち ベトナム人不法滞在者の生態と日本の労働現場

公開日
2026-03-02
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記事要約
本書『北関東「移民」アンダーグラウンド ベトナム人不法滞在者たちの青春と犯罪』は、いわゆる「ボドイ」と呼ばれる、やんちゃな背景を持つ在日ベトナム人不法滞在者の実態を追ったルポルタージュである。著者の安田峰俊氏は、彼らの多くが元技能実習生や元留学生であり、借金を背負って来日した末に職場から逃亡し、オーバーステイ状態で不安定な生活を送っていると指摘する。背景には、日本の少子高齢化やデフレ経済のもとで安価な労働力を求める歪んだ外国人労働政策があるという。

逃亡後のボドイは、群馬や埼玉など北関東を中心にコミュニティを形成し、一部は犯罪に関与する。無免許運転による死亡事故や薬物事件などが紹介される一方で、彼らの振る舞いの背景には、教育水準や制度的搾取の問題があると描かれる。技能実習制度は、立場の弱い人々を「安価な労働力」として囲い込む構造を持ち、それが逃亡や不法滞在を生み出しているという分析である。

また、ボドイのネットワークや「兄貴ハウス」のような拠点の存在、大阪(特に西成区や生野区)への移動といった動向も描かれる。著者は、将来的に日越間の経済格差が縮小すればボドイは減少すると予測するが、日本の労働構造が変わらなければ、別の国から同様の不法滞在者が生まれるだけだと示唆する。

本書は、「移民反対」と単純に叫ぶだけでは解決できない、日本社会の構造的問題を浮き彫りにしている。
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