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(The Irish Examiner)ポール・ホスフォード:移民に対する強硬姿勢は、単なるイデオロギーの問題ではない

公開日
2026-09-14
メディア
The Irish Examiner
記事要約
この記事は、アイルランド政府がこの約20か月で移民政策を大きく厳格化してきた背景について、単なるイデオロギーではなく、有権者の「政府は移民を管理できていない」という認識と選挙上の危機感が大きいと分析している。

政府が発足して以来、移民政策は歴代政権以上に重要課題となった。調査では、移民が経済に有益だと考える人は半数を超える一方、政府が入国者数を適切に管理していると評価する人は4分の1未満にとどまる。住宅不足、公共サービス、生活費高騰などへの不満と移民問題が結びつき、政府が社会の「受入れ能力」を管理できていないとの印象が広がっている。ただし、専門家は移民が住宅危機を引き起こしたとの見方には一貫して否定的だという。

こうした状況を受け、政府は迅速な審査、送還の強化、難民・庇護手続の厳格化、国の宿泊施設を利用する人への義務強化など、「fair but firm(公正だが厳格)」な移民制度を掲げている。地方部では新たな国際保護法を77%が支持し、犯罪で有罪となった外国人の国外退去には約9割が賛成している。

背景には選挙戦略もある。アイルランドでは歴史的に大規模な反移民政党が存在しなかったが、2026年のダブリン中央補欠選挙では、明確に反移民を掲げた候補者が合計で20%超の票を獲得した。Fine GaelやFianna Fáilなどの主要政党にとって、移民への懸念を無視すれば、無所属候補や新興右派勢力へ票が流れる可能性がある。

特に労働者層では、住宅や公共サービスなど限られた資源をめぐる競争への懸念と移民問題が結びつきやすいと記事は分析する。一方、実際には前年の居住許可発給数は9%減少し、庇護申請者数も減少、犯罪者の国外退去は増加している。それでも「移民を十分に管理できていない」という国民の認識を変えることは容易ではない。

記事の結論は、アイルランド政府は移民の経済的必要性そのものを否定しているのではなく、「移民を受け入れながら、国家がその規模とルールを確実に管理している」と示すことで、反移民勢力に争点の主導権を奪われる前に、移民政策の政治的主導権を取り戻そうとしている、というものである。
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