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移民に関する週次アップデート:2025年9月25日

公開日
2025-09-25
メディア
Crown World Mobility
記事要約
2025年9月25日の移民関連最新情報では、各地域での重要な法改正や制度変更が報告されている。

まず南米アルゼンチンでは、大統領令366/2025により入国や在留資格に関する新しい義務が導入された。観光やビジネスなどの一時滞在者、またメルコスールおよび非メルコスール加盟国の一時居住者に対して、健康保険の加入証明が必須となる。また、永住権を申請する際には生活手段の証明と無犯罪証明が必要とされる。永住権を持つ外国人はアルゼンチン市民と同等に公的医療制度や大学教育を無料で利用できるようになり、入国や手続き開始時には有効な現地住所の提示も求められる。

メキシコでは2025年8月9日から、ウクライナ、トルコ、ロシア国籍の人々を対象に電子ビザ制度が導入された。このビザは180日以内の滞在を目的とし、観光、トランジット、ビジネス、学会参加など幅広い活動が対象となる。申請はオンラインで行え、承認されるとQRコード付きの電子ビザが発行される。不承認の場合は在外メキシコ領事館で従来通りの手続きを行う必要がある。

米国では、国土安全保障省(DHS)がH-1Bビザに関する新しい規則の適用範囲を明確化した。新たに課される10万ドルの追加手数料は、2025年9月21日以降に提出された申請に適用され、それ以前の申請や既に承認された案件、現行の有効ビザ保有者には影響しない。更新や延長にも適用されない。また、労働省(DOL)は「プロジェクト・ファイアウォール」と呼ばれる新たな執行イニシアチブを開始し、雇用主の遵守状況をより厳格に監査・調査する方針を示した。法的義務は変わらないものの、監視体制の強化により企業は従来以上に記録管理やコンプライアンスを徹底する必要がある。

アジア太平洋地域では、ニュージーランドが2026年から新たな技能移民カテゴリーの永住権制度を導入する予定だ。これには、熟練職種で5年以上の実務経験を持ち、うち2年をニュージーランドで一定以上の賃金で働いた者を対象とする「熟練労働経験ルート」と、特定の職人・技術職で資格と経験を持ち、18か月以上国内で所定の賃金水準で勤務した者を対象とする「職人・技術者ルート」が設けられる。ニュージーランド国内での勤務経験要件が一部緩和され、賃金基準も一定の水準を維持すればよくなるなど、移民の長期的な貢献を重視する方向性が示された。

欧州ではチェコ共和国での雇用関連法改正が10月1日から施行される。外国人を雇用する際、雇用主は開始日の前日までに労働局へ報告する義務が課され、これを怠ると「無届労働」とみなされ最大300万チェコ・コルナの罰金が科される。また、外国人従業員の雇用カード保持者については、離職後の新雇用主の届け出期間が従来の60日から90日に延長される。ただし、2025年8月1日以前に雇用が終了した場合は旧規定の60日が適用される。

全体として、各国は移民制度の透明性や厳格性を高めつつ、労働市場の実情や国益に応じた制度整備を進めていることがうかがえる。
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