入管・在留関連ニュース

高齢外国人 介護サービス利用に壁 言葉、習慣…難しい制度周知

公開日
2025-10-18
メディア
ヨミドクター
記事要約
日本に住む外国人の間でも高齢化が進み、介護保険サービスを利用できる立場にありながら、言葉や文化の壁により利用が進まない実態が明らかになっている。群馬県伊勢崎市では、南米出身の日系人高齢者を対象にした介護予防教室が開かれ、参加者は母国語で交流しながら体操などを行っている。主宰するアルゼンチン出身の日系2世の介護福祉士・小澤エリサさんは、日本語が分からず公的サービスを使いづらい高齢者のため、母国語で健康づくりができる場を約10年前から自主的に運営している。

愛知県では外国人高齢者の相談が増加しており、県内の地域包括支援センターの約半数が外国人からの相談を受けた経験があると回答した。そのうち8割が言葉の壁に困っており、通訳不足や文化の違いによる相互理解の難しさが課題として挙げられた。市民団体「外国人高齢者と介護の橋渡しプロジェクト」は、食事や行事などを外国人の文化に合わせる工夫が必要だと提言している。

出入国在留管理庁によると、65歳以上の外国人は2024年末時点で約23万人に達し、今後も増加が見込まれる。特に1990年代に労働力として受け入れられた南米日系人が高齢期を迎えている。政府の総合的対応策では、高齢外国人を取り巻く課題の把握が不十分と指摘されており、金城学院大学の朝倉美江教授は、これまで労働力確保を優先して生活支援を後回しにしてきたと批判。今後は介護利用実態の調査と多文化高齢社会への対応が急務だとしている。
タグ
共生

「共生」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ
2024-05-10
入管法,共生,育成就労,永住者,特定技能,技能実習