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英国に来る外国人看護師の数が激減したのは、人種差別の高まりが原因とされている

公開日
2025-12-05
メディア
The Guardian
記事要約
英国では海外出身の看護師・助産師の流入が急減しており、4〜9月に新たに登録した人数は6,321人で、前年同期(12,534人)のほぼ半分に落ち込んだ。同時に英国を離れる海外医療スタッフも増えており、NMC(看護助産評議会)は人材確保の悪化を警告している。

医療現場ではこの減少がNHSの深刻な人手不足をさらに悪化させ、患者の待機時間が延びると懸念されている。海外医療者の離脱は、移民への敵意の高まり、政府の厳しい入国管理強化が背景にあると指摘される。特に労働党政権が海外労働者の永住権申請や給付受給までの期間を5年から10年に延ばしたことが反発を生んでおり、反移民を掲げる改革党(Reform UK)への迎合だと批判されている。

NHS労組や専門家は、国際医療者が長年英国医療を支えてきたにもかかわらず、政府の「不公平で誤った移民政策」が現場に深刻な影響を与えているとし、早急な見直しを求めた。また医療相ウェス・ストリーティングは、医療スタッフが「1970〜80年代のような醜い人種差別」の被害を受けていると発言している。

NMCのデータによれば、インドからの看護師は58%減、フィリピンは68%減、ナイジェリア28%減、ガーナ9%減と軒並み大幅減少。一方で、登録者総数は過去最多の86万801人に達し、男性の割合も12%と過去最高となった。

NMCは「国際採用の急成長期は終わりを迎えつつある」と指摘している。
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