世界の移民・難民
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「ザック・ポランスキーの移民政策はナイーブなのではなく、危険なほど誤解を招くものだ」

公開日
2026-01-03
メディア
The Observer
記事要約
英紙オブザーバーに掲載されたグリーン党党首ザック・ポランスキー氏の記事は、カレーの難民キャンプで英国行きを待つ人々に寄り添い、「移民は英国にとって良いものであり、国際的不正義に見捨てられた人々を守る責任がある」と主張した。筆者も道義的責任や国際的義務を果たす必要性自体は認め、移民の多くが英国に利益をもたらしてきた点には同意している。

しかし筆者は、移民・難民受け入れには現実的な限界があると指摘する。英国は比較的裕福だが国土は狭く人口密度が高い。2000年以降、人口は約1,040万人増加し、その大半は純移民増によるもので、2023~24年には1年で約74万人増えた。庇護を認められた難民は約43万人に上るが、受け入れ数を無制限にすることは住宅や財政面で持続不可能だと警告する。

小舟で英仏海峡を渡る人々の多くは切実な事情を抱えているが、約3分の1は庇護が認められておらず、人身密航業者によって「英国は入りやすく、追放されにくい」と誤った期待を与えられている現実もあるという。安全なルートを拡充しても需要が尽きることはなく、世界的な格差や紛争が続く限り、英国への移住希望は止まらないとする。

筆者は自身が内相時代に行った庇護申請の「書類整理(事実上の救済)」が、かえって移民増加の誘因(プル要因)となった経験を挙げ、政策が需要を生む危険性を指摘する。EU加盟時代はダブリン規則により対応しやすかったが、現在は状況がより困難だとも述べる。

今後の政策としては、労働需要に応じた合法ルートの調整、家族帯同の厳格化、デジタルID導入など、現政権の現実路線を支持しつつ、人権法と欧州人権裁判所の関係見直しも提案する。最後に、理想を掲げるだけではなく、危険で分断された現実世界を直視した政策でなければ、かえって状況を悪化させ、政治への信頼を損なうと結論づけている。
タグ
英国