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「移民・難民をアフリカの収容所へ」......知られざる欧州の国々の「転換」、受け入れの理念から強硬策へ

公開日
2024-11-20
メディア
東洋経済オンライン
記事要約
ヨーロッパにおける移民・難民問題の転換点

欧州連合(EU)は移民・難民の急増に対応するため、従来の寛容な政策を見直し、厳格な出入国管理や送還促進を進めている。2023年の難民認定申請者数は約112万9000人に達し、2015年の「難民危機」以来の最多となった。以下は主要な動向である。

ポーランドの対応

ベラルーシやロシアからの不法移民流入を「ハイブリッド戦争」とみなし、安全保障上の脅威として対応。
2024年5月時点でベラルーシからの不法入国者数が急増し、庇護申請権の棚上げや国境管理強化を宣言。
EU加盟国として庇護権の棚上げに理解を求める姿勢。

デンマークの「パラダイムシフト法」

難民を一時的滞在者と位置付け、支援削減や送還促進を重視。
ルワンダに収容施設を設置する計画を進めるなど、EU内でのモデルケースに。

右派政権の政策転換

スウェーデン: デンマークをモデルに厳格化。移民労働者の給与基準や家族呼び寄せの制限を実施し、2024年には難民申請者数が過去最少に。
オランダ: 家族呼び寄せ制限や国境管理強化を推進。EU共通難民政策からのオプトアウトを求める。
ハンガリー: オランダに続きEU共通難民政策のオプトアウトを宣言。

国外収容施設の設置

デンマークやオランダがアフリカ諸国に収容施設を設置する計画を進行中。イタリアもアルバニアに移送を開始したが、法的課題に直面。
オーストラリアの「パシフィック・ソリューション」が参考例。

EUの対応と課題

EU首脳会議では国境管理の強化や移民問題への連帯を確認。国外施設設置案も議論。
理想的な移民政策を掲げる余地が減少し、強硬策の容認が広がる。

結論: 移民・難民問題に対処するため、EU各国は個別対応と共同策の模索を進めるが、理想と現実のギャップが拡大。国際法やEU法を踏まえた新たな取り組みが求められている。
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