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オーストラリアはヨーロッパよりも大きな標的なのに、なぜ責任を逃れられるのか?

公開日
2026-02-27
メディア
Lowy Institute
記事要約
米国務長官マルコ・ルビオは、2月14日のミュンヘン安全保障会議で演説し、西洋文明の再拡大と西側の優位性回復というビジョンを打ち出した。彼は第二次世界大戦以前の西洋による世界的拡張を肯定的に振り返り、再び西側の支配的地位を確立すると約束した。この演説は、トランプ政権の強硬な姿勢を懸念する欧州の安全保障エリート層から安堵をもって迎えられ、スタンディングオベーションを受けた。

ルビオはまた、制御されない移民が「社会の構造や文明の存続に対する緊急の脅威」だと警告し、米国の国家安全保障戦略も、将来的に一部のNATO加盟国が「非欧州系多数派」になる可能性に言及して同盟の持続性に疑問を呈している。こうした発言の背後には排他的で危うい価値観があると筆者は指摘する。

そのうえで論考は、なぜオーストラリアが同様の批判対象になっていないのかを問いかける。ドイツ(外国生まれ人口20.5%)、フランス(14%)、イタリア(11.8%)、EU全体(10.4%)と比べ、オーストラリアは31.5%と極めて高い割合を持ち、人口増加もほぼ移民に依存している。将来的に「非欧州系多数派」になる可能性は、むしろNATO諸国以上に高い。

それにもかかわらず、トランプ政権がオーストラリアの多文化主義を問題視していない理由として、トランプが同国の選別的移民制度や厳格な国境管理を評価していること、あるいはオーストラリアが「西洋文明の中心」とは見なされていない可能性が挙げられる。

筆者は、移民問題は将来的に米豪関係の亀裂を生む火種になり得ると警告する。現状では豪州政府は対米関係を維持できているが、トランプ政権の予測不能性やイデオロギー的傾向を踏まえれば、欧州諸国が経験したような関係悪化に備える必要があると結論づけている。
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