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オーストラリアの学生ビザ取り締まりが過去最高を記録――入国できる人への影響とは?

公開日
2026-05-03
メディア
SBS News
記事要約
この記事は、オーストラリアで留学生ビザの拒否率が急上昇している背景と、その背後にある移民政策の変化について論じている。

インド出身の工学系卒業生パヴァン・クマールさんは、大学合格、学費支払い、資金証明、英語要件などを満たしていたにもかかわらず、「真正な一時滞在者(Genuine Temporary Entrant)」要件への疑念を理由に学生ビザを拒否された。本人は「基準を満たしても、見えない部分で判断されているようだ」と不透明さを訴えている。

移民専門家によれば、近年この「真正性審査」がビザ判断の中心となっており、とくに南アジア地域からの申請に対して拒否が増加している。2026年2月には、大学向け学生ビザの海外申請拒否率が32.5%に達し、過去約20年で最高水準となった。

背景には、コロナ後に急増した移民数への政治的圧力や、住宅不足・家賃高騰に対する国民不満がある。政府は「制度の健全性確保」を理由にしているが、元移民局幹部らは、実質的には移民抑制政策の一環だと分析している。

国別では、ネパール65%、バングラデシュ51%、インド40%と高い拒否率が示される一方、中国は約3%にとどまっている。背景には、一部地域での偽造書類や虚偽申請への懸念があるとされるが、「包括的な拒否」に近い運用になっているとの批判もある。

記事は、オーストラリアの留学生政策が、かつての「教育輸出産業」重視から、「移民管理手段」へと変質してきた経緯も説明する。近年は、反移民感情の高まりや住宅問題を受け、政府・野党ともに移民抑制色を強めており、保守派や右派政治家は「オーストラリア的価値観」や「同化」を重視する発言を強めている。

大学側は、急増するビザ拒否によって学生確保の見通しが不安定化し、財政や雇用、研究活動への影響を懸念している。国際教育は年間約550億豪ドルを生み出す主要産業であり、多数の雇用を支えているためだ。

さらに記事は、カナダやイギリスでも留学生規制強化が進んでいることを紹介し、オーストラリアも同様の方向に向かっていると指摘する。今後も移民抑制政策は続く可能性が高く、留学生制度はますます不透明で予測しづらいものになっていると結論づけている。
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